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EL34‘g2電流ドライブ’アンプ
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EL34シングルですが、出力段のドライブ方法を工夫してみました。
タイトルの通り、g2を電流ドライブしています。
とは言うものの、どんな特性になるか何のデータも無いので、先ずは実物を使って測定を行います。
測定に使用したのは、こんな感じの回路。
EL34‘g2電流ドライブ’特性:
ふぅむ。以外に直線性が高く、きれいな特性です。意外だったのは、Vg1を変えても、グラフにほとんど違いが出ないことです。以前、g2を電圧ドライブで実験した時は、Vg1による差がはっきりと出ていましたので、g2は電圧駆動ではなく電流駆動される、と考えた方が良いようです。
ただし、Vg2が150Vから200Vまで変化する際のIg2を測定して、そこからg2の入力インピーダンス(という言い方が正しいかは知らない)を求めると、
Vg1 | Ig2(Vg2=150V) | Ig2(Vg2=200V) | インピーダンス |
-10V | 4.48mA | 10.8mA | 7.9KΩ |
-12V | 2.89mA | 8.01mA | 9.8KΩ |
-14V | 1.72mA | 6.16mA | 11.3KΩ |
-16V | 0.94mA | 4.48mA | 14.1KΩ |
となります。
Vg1が低いのにあまり沢山Ig2を流そうとすると、g2の電圧がVpに張り付いて3極管接続になってしまうので、動作点を設定する時には注意します。
G2に流れる電流で、プレート電流を制限している形になるので、バイポーラトランジスタと同じように電流増幅率を計算できます。それもグラフにしてみましょう。
EL34‘G2電流増幅率’:
これは、バイポーラトランジスタに非常に似た特性のように思えます。hFEというのが正しいかどうかは解りませんが、大体hFE=8〜10となるようです。EL34はもっと沢山電流の流せる管ですが、実験用電源のトランスが100mAまでなので、ここまでにしておきます。今回の実験は五極管のg2が電流吐き出し型の信号現に繋がっている時にどのような挙動をするのか確かめるのが目的なので、一応目的は達成しました。
あとは、五極管のg2を電流でドライブすれば一体どんな音がするのか、実際作ってみるだけです。
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